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oncanのネオン職人 山本祐一によるブログネオンについての豆知識から活動のお知らせなど

ネオンの美しい映画16/ゴダール「気狂いピエロ」

category : おすすめのネオン

10月に入りました。気候は、いまだ夏の名残を感じる大阪です。まだまだ台風の影響もある為、気持ちもソワソワしますが 「スポーツ」の秋、「読書」の秋、「芸術」の秋☆ということで、久しぶりに「ネオンの美しい映画」をご紹介します!

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先月の出張のパリ気分のまま、チョイスした映画は、ジャン=リュック・ゴダールの「気狂いピエロ」です。

恐らく、たくさんのファンを持つこの作品。その監督、ゴダールと言えばフランス映画の巨匠!1950年代末から1960年代中盤のフランス映画の全盛期、ヌーヴェルヴァーグ(新しい波)と呼ばれた映画監督の1人。「気狂いピエロ」を製作した1965年、ゴダール監督は35才でした。

主役のジャン=ポール・ベルモンドは、ゴダールの映画とは切っても切れない俳優で、名作「勝手にしやがれ」でも主役を演じています。もう一人、ゴダール映画になくてはならないアンナ・カリーナがヒロインとして登場し、2人の魅力が溢れる映画になっています。

映画のストーリーは、コラージュされたシーンが、次々と展開していきます。独特のセリフに様々な引用が在り、シーン一つ一つが、完成された写真のように繋がって、観ている方は、自然と自らの頭の中でストーリーや監督の意図を組み立てていきます。そのため、一度ならず二度三度と鑑賞を繰り返すことにより作品に近づいていくような 不思議な感覚を起こさせる映画だとおもいます。こういった、性質もこの作品のファンが多い要因だとおもいます。

さてネオンサインのお話。場面の展開やお話の展開が進むなかで、断片的に登場するネオンサイン。後半の主人公達2人の関係が展開していく中、登場するのがこちらのシーンです。

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フランス語には親しみがないので調べたのですが、この綴りの言葉は見当たりません。どうやら こちらは言葉遊びのアナグラムになっているのでは?と解釈しました(※これについて、何処かにヒントが無いかと調査中です。ご存知の方教えて下さい)というのも、このシーンの後 ストーリーが続き しばらくして登場するのが

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地名を表す、こちらのネオンサイン。恐らくオリジナルから切り取られた四文字が先にご紹介した「IVIE」の文字という事が、何度か観てわかりました。本当に一瞬!で、もしかしたらネオン好きの方でなかったら、覚えてもいないかもしれません。このようなサインがあって撮影したのか?もしくは、このシーンの為だけに製作されたネオンサインなのかは不明。(ついつい、それが気になってしまいます。)ネオン管のつなぎ方や塗装の消し込みの雰囲気で「塗装が剥がれて、光が漏れているし、もしかしたら、既存のネオンで少し古いものかな?」と推測したりします。

映画のストーリーの中、主人公達は野外の自然光を浴びて役を演じるシーンに、突如登場するネオンサインの光はとても異質で全体の流れの中で強いアクセントとなっています。その闇とテキスト、字幕さえも、一つの構成された絵のように深読みさせられます。

何度も観てご存知の方も多い映画だとおもいますが、このネオンサインをお忘れでしたら是非再度ご覧下さい!今なら劇場で観られるみたいです!デジタルリマスター&新訳の「気狂いピエロ」が全国のミニシアター系の映画館を回っていることを発見!

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10月初めの現在、関西では京都と兵庫での上映がこれからみたいですよー。是非とも、この名画を劇場でご覧頂きたいとおもいます!そして、一瞬うつるネオンのサインをお見逃し無く☆です。映画上映のホームページはこちら→http://pierrot.onlyhearts.co.jp

作品の中でのネオンを探すことで、映画に触れられるもの一つの喜びです。これからも、ネオンハンティング続けていきますー。お付き合いよろしくお願い致します。