oncan ネオンによる身近な照明

工房BLOG

oncanのネオン職人 山本祐一によるブログネオンについての豆知識から活動のお知らせなど

ネオンの美しい映画9/ミステリー・トレイン

category : おすすめのネオン

実は、先週東京に出張してまいりました。大きな街にいると、様々なスタイルの人たちをみて、勝手にそれぞれのドラマを想像してしまいます。今回はそんな一つの街の中の映画。

ネオンサインを求めて映画を見返していると、同じ監督が出てくる事があります。今回のネオンの美しい映画「ミステリートレイン/MYSTERY TRAIN(1989)」の監督ジム・ジャームッシュは以前紹介した「ナイト・オン・ザ・プラネット」も制作していました。俳優、工藤夕貴さんと永瀬正敏さんの共演からはじまるオムニバス作品「ミステリー・トレイン」は、テネシー州メンフィスを舞台に、三話それぞれの人間模様が展開します。登場するお二人が 少年少女と呼べる程 当時の若いお二人も是非 観て頂きたいです。

DSCF2377

ジャームッシュ監督の作品の特徴なのか、コメディーでもないのにおかしな間が気になるのがこの映画。学生の頃から、レンタルで何度か観ているはずなのですがイマイチ、お話の印象が残っておらず 今回見返して そこに登場するネオンにフォーカスをあてると面白いコトに気がつきました。オムニバス構成なので、登場人物達とそのストーリーは、当然全く異なります。しかし、その背景が全く同じというシーンがいくつかあり、まるで登場人物たちを街の住人のように眺めている様に見えてきます。

DSCF2379

街の中のビールのネオンサインのデザインや、レストランのネオン。また、もうほとんど壊れてしまっている看板。それぞれが生き生きとメンフィスという街を表現しています。「ナイト・オン・ザ・プラネット」とは大きく異なるロケーションが定まっているという構成は、私自身もその街にいるような気持ちにさせてくれます。

さて、もう一点 今回「ミステリー・トレイン」をもう一度観てみようと思ったきっかけは 昨年はじめに大阪で拝見した写真家の「鋤田正義」さんの展示でした。「ミステリー・トレイン」の宣伝用のスチール写真を撮影されています。今回、たまたま検索をして見かけたインタビューにジム・ジャームッシュ監督の仕事の仕方に触れる箇所が在り興味深いのでリンクを貼付けておきます。ジャームッシュ監督の撮影現場を思い浮かべながらもう一度見直すのも 楽しみです。

liverary.com ■レンズをはさんでふたつの世界 鋤田正義×今村直樹

鋤田正義さんのホームページ→