oncan ネオンによる身近な照明

工房BLOG

oncanのネオン職人 山本祐一によるブログネオンについての豆知識から活動のお知らせなど

エッジが丸い

category : neonのこと

昨日は、皆既月食。晴天の夜空 大阪ではクッキリ良く見えました。少し肌寒い秋の風、ご近所さんや道行く人たちが同じ月を見上げているのは、なんだか楽しい気持ちになりました。さて、今日は久しぶりにネオン管の曲げについて書いてみます。ネオン管はチューブ状になったガラス管ということは、最初の頃に書きました。それをバーナーであぶり、形を作っています。

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こちらの星の形も一つ一つ、職人の手で曲げています。よく見ると尖った形、鋭角の沢山ある形です。その鋭角の先が少しよじれている様に見えませんか?この部分、実は取り付けられた時には分からない形です。

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上の写真のように、鋭角の部分をくるり!と丸く曲げています。一見無駄にみえるかもしれません。ガラス管なので、もちろんバーナーであぶれは、フラットに、鋭角な形に曲げる事ができますが、それではガラス管を無理矢理引っ張る事になり、均等な厚さを保てず すぐ破損してしまいます。また、もう一つの重要な役割、希ガスに電気がとおるようにするにはやはり、車の道と同じスムーズなカーブを描かなくては、上手く流れず、やはり故障の原因になります。

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文字や、フォルムをシャープに見せる為に、出来るだけ短距離でしかもスムーズに無理の無い形を曲げるのは、職人のセンスが必要になります。一度曲げたものの強度の問題や、また取り付ける環境によって曲げる方向を変えるためやり直しということもあります。上の入り込んだエッジの部分は ヨコからみると下の写真のようになっています。

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遊園地のジェットコースターの様にも見えます。お客様のお店のお名前、デザイナーさんのご提案して下さる図案の原稿に合わせて、作る下図。そのフラットだった下図の上に、立体的な電気の通る道、光の道を作る。この奥行きがネオンの持つ魅力でもあります。