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oncanのネオン職人 山本祐一によるブログネオンについての豆知識から活動のお知らせなど

ネオンの美しい映画17/ワン・フロム・ザハート

category : おすすめのネオン

そろそろ、大掃除やお正月の準備をはじめなくてはという時期に来ております。ありがたいことに、日々の作業に追われて年賀状の準備のはじめていない弊社。「あわてず、ひとつひとつ丁寧に」が信条のWeb担当、こんな時ですが「これぞネオンの名作!」という映画作品を紹介致します。

今回の映画はネオンファン必見です!『ワン・フロム・ザ・ハート One From The Heart (1982)』監督は、20世紀の巨匠!フランシス・フォード・コッポラ。「地獄の黙示録」をはじめ、数々の壮大な作品を撮って来た監督で、Blog「ネオンの美しい映画」シリーズの第一回目の作品「ロスト・イン・トランスレーション」を作ったソフィア・コッポラの父親でもあります。

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ストーリーは、「ゴット・ファーザー」などのフランシス・コッポラの作品のイメージとは ややかけ離れた印象のラブストーリー。しかも、ミュージカルタッチで、別れの近いカップルの心の動きを独特のリズム感と、スピードで描いています。物語の舞台がラスベガスのため、画面のアチコチでネオンが光ります。しかし!この舞台、オールセット!?というのが、ビックリ。これを確かめるだけでも見る価値あり!と大プッシュしたいと思っています。

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街のネオンサイン、やボーダーの彩りはもちろん、ネオン独特の光の色が妖艶な表情を照らし、ワンシーンワンシーンがロマンティックでグッと来ます。そして、この映画のネオンサインがスゴいところが、オールロケでとっている俯瞰のシーンを実はジオラマで製作しているというところなのです!

これは、他の件で弊社の蔵書を調べていて見かけた写真なのですが、この写真と記事で映画の舞台を実際に細管で光らせて作っていた☆ということを偶然、発見してしまいました!!!

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テキストの中には、確かに「Miniture scale sets for Francis Ford Coppola’s Film,”One From The Heart “」と表記があります。このミニチュアを作ったのは、ネオンのパイオニアである「Larry Albright」。インタビューのなかで、彼は「(映画のプロジェクトは)とてもチャレンジングだった。コッポラは正確な縮尺のネオンサインを要求した。二ミリ管を使い曲げ、作業をした(中略)それはまるで卵を持っているかのようだった」と答えています。

映画とこの記事を同時期に見つけたのは偶然だったのですが、映画を見て完全にロケで撮ったのだと思っていた私達にはこのような作業をされるアーティストがいる!ということにビックリ。映画を通して、ネオンの先駆者と対面したような感動がありました。

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この話でずーーーーっと話せそうなくらい、私達ネオン好きには たまらない映画。実は、コッポラにとっては興行的に大失敗の作品だったそうです!?が、弊社あげて、この冬のネオン酒にピッタリの作品としてオススメします。次回は、この大発見をした本「The Light artist ANTHOLOGY/ Neon & related media」を紹介します。こちらも、ネオンの先駆者にたくさん出会える本。また熱く語ってしまいそうです。お楽しみに〜!